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2015年5月アーカイブ

 野生の呼び声に応えるような響きには魅了されるが、実は遠吠えをする動物はそう多くない。

 遠吠えをする動物の代表格といえばオオカミだろう。その声には独特の調べもある。米ワイオミング州イエローストーン国立公園の上席野生生物学者ダグ・スミス氏によると、オオカミの遠吠えには3つの理由がある。

 まずは他の個体に自分のなわばりを知らせ、近づかないようにさせるため。2つめは群れからはぐれたときに仲間を見つけるため(オオカミの吠え声は数キロ先まで通る)。3つめは、仲間との絆を維持するという社会的な目的だ。

 スミス氏によると、オオカミの遠吠えには「季節的要素もあります。興味深いことに、巣穴で子育てをしているときにはほとんど吠えません」

 子育て中の群れが巣穴の場所を他の動物に知られ、危険にさらされるのを防ぐためだと考えられる。

ペットはほとんどしない

 遠吠えをするイヌ科の仲間には、オオカミの他にジャッカル、コヨーテなどがいる。もちろん、あなたのイヌも。

 ジャッカルの仲間3種はすべてアフリカに生息しており、「侵入者を追い払い、家族を呼ぶため」に遠吠えをすると言うのはアフリカ野生動物保護財団のクレイグ・ショリー氏。「とりわけ同時に遠吠えをするのは、家族の絆を強め、そこが自分たちのなわばりであることを広く知らせる目的があると考えられています」

 ノースカロライナ州立大学の獣医行動学者バーバラ・シャーマン氏によれば、人間に飼われているイヌは、長く吠えて広範囲に響かせる本来の遠吠えはほとんどしないとのこと。

 しかし人間の注意を引きたくて遠吠えに似た声を出すイヌは多い。飼い主たちはこれを「おしゃべり」とか「遠吠え」と呼ぶ。その声は犬種や個体によって様々だ。たとえばシャーマン氏が飼っているテリアは、遊んでほしくて興奮しているときに「遠吠え」の声を出すという。

 ただし、オオカミに近い犬種のアラスカンマラミュートやシベリアンハスキーの他、猟犬の仲間には遠吠えをするものがいる。

 シャーマン氏いわく、バセンジーという種類の犬は「『ヨーデル』や遠吠えと形容される鳴き声」を出すそうだ。バセットハウンドやビーグルはときどき猟犬特有のうなるような吠え方をする。グレイハウンドはほとんど吠えないが、「『ルー』と呼ばれる独特の鳴き声」を出す。

 また、ご存じのようにイヌはサイレンなどの大きな警告音を聞くと遠吠えをする。米国動物愛護協会によれば、これは注意を促すためか、飼い主や仲間と引き離される不安感からだそうだ。

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