動物に関わる法律に詳しい細川敦史弁護士はいう。
「ペットショップに対して提携病院の立場が弱いという側面はあるが、それでも、生体販売の現場において、獣医師の関わり方が形式的なものになっている。13年9月に施行された改正動物愛護法では、獣医師の果たすべき役割はこれまでより重くなった。消費者保護のためにも、獣医師にはより高度な職業倫理が求められていいと考える」
そもそも、ペット店などで販売される犬猫に健康トラブルが減らないのはなぜなのか。前出の埼玉県の男性が訴えたペット店チェーン側の弁護士は、準備書面でこんな主張していた。
「ペットショップではペットをゲージ内で飼育保管しており、ゲージ内での運動量に限りがあるため、被告従業員らが本件猫の呼吸促迫や喘鳴に気付かなかったとしても不思議ではない」(原文ママ)
「(ペット店で販売される犬猫は)人間の好み(都合)に合わせて小型化したり新種をつくるために交配合を繰り返し[中略]血統が維持・左右されていることから[中略]雑種よりも、先天性疾患をもつ個体が必然的に発生しやすい」
犬の遺伝病などを専門とする新庄動物病院(奈良県葛城市)の今本成樹院長はこう話す。
「健康な子犬や子猫を作るのがプロの仕事のはずなのに、現実には、見た目のかわいさだけを考えて先天性疾患のリスクが高まるような繁殖が行われている。大量に販売する現場では、簡単な健康チェックしかなされず、疾患を抱えた子がすり抜けてくる。そして、病気の子はあまり動かないので、ショップの店頭では『おとなしい子です』などという売り文句で積極的に販売される。消費者としては、様々な疾患が見つけやすくなる生後3カ月から半年くらいの子犬や子猫を買うことが、自己防衛につながるでしょう」
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